スルーパス封じとカウンター狙い
結局メニューは何も見られなかったが、ピッチ上にはいくつかの準備の跡があった。ハーフウェイラインの少し向こう、センターサークルの先端辺りにミニゴール、そして左サイドと右サイドには2本ずつの約3m間隔のポールが立てられている。縦幅が半分よりやや広く、横幅はすべての幅を使ったフィールド設定だ。
一方、ペナルティーエリアの横方向のライン上には、真ん中に2本のポール、サイドはペナルティーエリアの角に1本のポール、そこから約3m外側にもう1本立っており、これが逆サイドにも同じように設定されている。これをどう見るか。
カウンターのトレーニングだとすれば、ペナルティーエリアの横方向のライン上に立てられたポールは、ここを日本のスルーパスで通されるなというポイント設定で、ハーフウェイラインの向こうに置かれた中央、左サイド、右サイドのミニゴールとポールは、そこがカウンターで縦パスを入れる目標となるだろうか。
3日間を通して、全体的には、やはり奪ったボールからのシンプルなカウンターを意識しているように感じられた。
ギリシャ戦については、大きく分けて二つの方針が考えられる。
一つは「トゥマッチ」に相手をリスペクトする方法だ。ギリシャのショートパスは、パスを出す側も受ける側もそれほど上手くないので、あえて相手にボールを持たせる。そして日本のほうが我慢強く耐えながら、カウンターを狙っていく。
これはギリシャにとっては、やりにくさを感じる方法だろう。しかし、自陣ゴールに近くなるとギリシャの高さが脅威になるので、ディフェンスラインはある程度の高さを保たなければならない。
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