遠藤という切り札
おそらくだが、ギリシャ相手に日本はボールを支配できる。コートジボワール戦では主導権を掴むことから始める必要があったが、ギリシャは基本的に守りから入るため、この試合では中盤の底や最終ラインでボールを持つ時間が自然と増えることになるだろう。
そんなギリシャ戦でポイントになりそうなのが、遠藤保仁の起用である。ここ半年、山口蛍の台頭やコンディションの問題から、途中出場の機会が増えた遠藤だが、この試合では是非先発出場を期待したい。
中盤を厚めに設定してくるギリシャを攻略する上では、彼のようなパスで相手をいなすことのできる選手が不可欠で、相手にスピードがない分、遠藤を起用するリスクもほとんどないはずなのだ。
また、ギリシャは確かに強固なチームだが、中盤さえ掻い潜ることができれば最終ラインは意外と脆い。センターバックのソクラティス・パパスタソプロスはカバーリング能力には長けるが、相手選手のプレッシングから逃げる術は持っていない。
クリアの質は悪く、大きく蹴り出す癖もある。彼らはあくまで組織でやりくりするチームであり、最終ラインの4枚で跳ね返せるほどのタレント力はないのだ。
いずれにしても、やはり中盤5枚が彼らの生命線であり、この試合の見所はそれをいかにして攻略するかに集約される。
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