印象の薄い国から勝たなくてはならない相手に
ギリシャサッカーについて私たちが知っていることは何だろうか。
守備が堅い? 結構。
サポーターが熱狂的? まさしく。
2004年に欧州選手権を制覇した? 確かにそんなこともあった。
私たちは、ギリシャについてある一定の知識を持っている。踏襲されてきたスタイル、漠然としたサッカー文化、そして過去の輝かしい実績。未知の部分が多かったコートジボワールに比べ、日本ではギリシャという国のざっくりとしたイメージくらいは共有されている。
それは逆に言うなら、ギリシャにはそれ以上の印象がないということでもある。大きな選手が適度にいて、まずまずの手堅さで、それでいてなんとなく鉄壁――。世間のイメージはだいたいそんな感じだろう。それらは決して間違っていない。
しかしギリシャは今、私たちにとって絶対に勝たなくてはならない相手になった。もっと言えば、できるだけ得点を奪い、なるだけ失点を抑えて勝ちたい状況である。ギリシャについての最低限の情報を身につけておくことは、サポーターにとっても意味を持つと考える。
今回は、日本代表がまもなく相見えるギリシャ代表の素性に迫る。ギリシャに関するぼんやりとしたイメージが少しでも晴れるのであれば幸いだ。敵に勝つため、敵を知ろう。
【次ページ】流れの中からの失点はゼロ。得点力は低い