まるで要塞のようなギリシャのキャンプ地
アラカジュで取材を始めて2日目。ギリシャ代表の取材対応の様子からは、その代名詞とも言える鉄壁のディフェンス同様に、かなりガードが堅い印象を受けた。たとえば非公開練習を例に取ると、これまでに見た中では、最も万全に秘密が守られる環境を作り上げている。
フロリダで合宿を行っていた日本代表の場合、練習グラウンドは非公開と言っても、周囲を幕で覆っただけで、その幕も近くに寄れば透けて見えるようなものだった(もちろん、それを実践する者はいなかったと思うが)。
そして、先日まで取材していたコートジボワール代表は、山間地域であるアグアス・デ・リンドイアの地形のため、練習グラウンドが丘の上から丸見え。非公開練習が始まっても、近隣の住民はまるで草サッカーでも見るかのように、数日後にW杯を戦うコートジボワールの非公開練習を遠くから見学していた。
ところが、ここアラカジェのギリシャ代表は、セルジッペ州から借り受けたスタジアムを、万全のセキュリティーを誇る秘密のアジトに変えている。まず、ピッチがあるスタジアムへの入り口はわずか2箇所。
選手のバスが入る門と、もう一つは、スタジアムに併設された体育館からの通用門。この体育館が、W杯期間中のメディアセンターとしてリフォームされ、記者やフォトグラファーはこのメディアセンターを通り抜けなければスタジアムには入れない。
その他の門はすべて“Closed”だ。まるで国賓を警護するかのような数のパトカーや警官が門を見張っている。
【次ページ】メディア対応もほぼ意味のないような状態