3-0、フランスにとって良いジンクス
『格好の滑り出し』
初戦のホンジュラス戦に3-0と快勝したフランスの、国内での反応はこの一言に尽きる。
『我々が期待した通りのレ・ブルー』という見出しとともにゴール直後のベンゼマの写真をでかでかと一面に掲載したのはパリジャン紙。レキップ紙も、ベンゼマのアップを表紙に、中面では5ページを割いてこの試合を報じている。
他にも、キオスクに並ぶ日刊紙の一面にはズラリと青いシャツ姿の男達が。ふだんはスポーツ熱の高くないフィガロ紙までもが一面にレ・ブルーの写真を載せている。
フランスがW杯初戦で勝利を収めたのは、98年大会以来だ。そのときの対戦相手は南アフリカ。スコアは今回と同じ3-0だった。この3-0という数字はフランスにとってはラッキースコアだとも言える。
98年大会でブラジルを下した、あの決勝戦のスコアも3-0。ホンジュラス戦の直後、スポーツ省のナジャ・ヴァロー・ベルカセン女史も「3-0、これで何か思い出さない? ブラボー!」とツィートしているが、同じ選手が2得点を挙げたのも、このブラジル戦でのジダン以来だ。
また、過去13回の出場のうちで、初戦で勝利したのは4回あるが、1930年の第1回大会を除く3回は、準決勝以上の成績を収めているというのだから(58年、86年、98年)、フランス人が幸運を期待してしまうのも無理はない。
フランスに住まって思うが、徹底したリアリストの印象があるフランス人は、実はかなり、こういったスタッツやらジンクスやらが大好きなのである。
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