ギリシャは一般客もいる普通のホテルに宿泊
コートジボワールとの初戦を1-2で落としたザックジャパンだが、落ち込んでいる暇はない。中4日で迎える19日には、ギリシャとの第2戦が待っている。先週までのコートジボワール編に続き、次はギリシャについて『対戦国密着レポート』をお送りしたい。
ギリシャがキャンプ地に選んだのは、ブラジル北東部の港湾都市であるアラカジュだ。よく整えられた美しいビーチがあり、他の都市のように人でごった返す雰囲気がない。ビーチ脇を通る道路が広く作られており、開放感に満ちた穏やかなリゾート地という印象がある。
この地から日本との第2戦が行われるナタルまでの移動距離は約600kmと近く、飛行機に乗って約1時間で到着する。北東部で2試合を戦うギリシャは、移動距離を考慮し、アラカジュを合宿地に選定した。
そして驚いたことにギリシャがこの街で宿泊しているのは、一般客も泊まる普通のホテルだ。さらにトレーニング用のピッチは、アラカジュが属するセルジッペ州の所有するスタジアムを無料で使用している。
日本を含む多くの国がピッチ付きの総合施設を貸し切りで使用しているのに対し、ギリシャは、経費を徹底的に削減した合宿を張っているようだ。国の経済事情もあり、大っぴらにお金を使うわけにはいかないのかもしれない。
とはいえ、移動距離の少なさは魅力ではあるし、高温多湿に体が慣れていないギリシャは、この地方に共通する気候を経験しておくメリットもある。そして実際にトレーニング用のスタジアムを訪れてみると、「WE ARE ALL GREEKS」(私たちはみんなギリシャの味方だ)と書かれた横断幕がかかっており、街がチームを温かく迎え入れた様子が見て取れる。
心はリッチな極貧合宿。アラカジュに到着して初日の印象はそんなところだろうか。