立て続けに失点も、踏ん張ったサッカルーズ
試合終了直前のロスタイム、チリにダメ押しの3点目を奪われ「万事休す」となるまで、強豪に食い下がったサッカルーズ。南米の雄から勝ち点をもぎ取るところまで、あと一歩に迫った戦いぶりは、善戦と言って差し支えないだろう。
W杯の舞台で観衆の多くがチリのサポーターという“ほぼアウェー”のスタジアム。その雰囲気に飲まれたのか、オーストラリアは試合の序盤に立て続けに不用意な失点を重ねてしまう。
これで、「何とか少ない得点機を生かして、勝ち点奪取を目論む」というアンジ・ポスタコグルー監督が描いたであろうゲーム・プランは白紙に戻る。このまま、なし崩しでやられてしまうのかという不安がよぎるが、サッカルーズはここから踏ん張りを見せる。前半のうちに絶対的エースのティム・ケーヒルが、お得意の滞空時間の長いヘディング・シュートで1点を返し、後半での反撃に望みを繋ぎ、試合を折り返した。
後半に入ってのサッカルーズは、動きが明らかに良くなっていた。左右のウィンガーを走らせシンプルにプレーすることで、幾つかのチャンスを創り出す。何とか同点に追いつこうと果敢にプレーする姿には、試合前から囁かれた不利を感じさせない頼もしさがあった。
それでも、最後の一押しが足りずに同点のチャンスを逃すうちに、ロスタイムの失点で引き離され1-3で試合終了。オーストラリアの勝ち点奪取の目論みは露と消えた。
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