現地時間12日に行われたブラジルW杯の開幕戦、ブラジル対クロアチアの一戦で主審を務めた西村雄一氏がイングランド・メディアから酷評された。
西村氏は1-1で迎えた後半26分に、クロアチアのDFロブレンがブラジルのフレッジを倒したとしてブラジルに勝ち越しとなるPKを与え、同37分にはクロアチアのゴールをファウルがあったとして取り消した。これらの判定は「誤審だった」とイングランドの各メディアでは批判の的となっている。
BBCのハイライト番組「マッチオブザデイ」の解説者で元イングランド代表のダニー・マーフィ氏は、「あのPKは誤審だった。ロブレンの手は相手の腕に触れていたが、フレッジが劇的に倒れたあの場面を見る限りPKではない」と解説。
アラン・シアラー氏は「リプレイを見てもあれはPKではなかった。ロブレンがフレッジの肩を掴んでいたからPKを取ったのであれば、1試合で10個のPKが生まれているはずだ」と語った。
しかし、彼らが語っているのは、あくまでも“プレミアリーグ基準”での話だ。この一戦が行われたのはロンドンではなくサンパウロ。W杯はFA(イングランドサッカー協会)の主催ではなく、FIFA(国際サッカー連盟)の主催である。
FIFAは、この最も困難な試合を西村氏に託し、西村氏は「グレーゾーンは黒」という今大会の基準を作ったのだ。実際にスペイン対オランダにおいて、前半27分にスペインに与えられたPKもプレミアリーグでは流されていただろう。
逆に、今後の試合でこの基準を無視する審判が現れたら、その人物の手腕を疑うべきだ。
【了】
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