パス回しは日本が上。しかし身体能力は…
チームのビブス分けについてだが、ほぼ毎日、同じ組み合わせが用いられていた。ビブスチームは、ゾコラ、ティオテ、ディエ、ヤヤ・トゥーレ、カルー、オーリエ、バンバなど、レギュラーチームと見られる顔ぶれ。しかし、興味深いのは、反対側のビブスなしチームに、攻撃の主役であるドログバとジェルビーニョが常に属していたことだ。
レギュラー選手をビブスチームにまとめるのは、コンビネーション醸成のためだろう。しかし、ドログバとジェルビーニョをあえて反対側に入れたのは、中盤の構成やディフェンスなどの組織的な枠組みから外し、個人の攻撃に専念させるためだろうか。
そのために、あえて組織に加えていないのかもしれない。逆に、途中出場が予想される1トップのボニーはドログバに代わってビブスチームに入っていた。この辺りのチーム分けの意図は気になるところだ。
11日のトレーニングは、ウォーミングアップで8対2のワンタッチボール回し。一般的にはロンドと呼ばれる練習から始まった。日本代表もよく行っているが、その質については、スピード、精度共に日本のほうが遥かに高いことを改めて確認。やはり、この点が日本のストロングポイントであることは間違いない。
逆にハーフコートのゲーム形式になると、コートジボワールの身体能力が際立つ。いわゆる直線的なパワーだけでなく、しなやかなバネを生かした鋭いステップも特徴的だ。そして、やはりザンビアのように球際に深く飛び込んでいく様子も見られる。これは彼らアフリカ勢のストロングポイントだろう。
かといって、それを恐れるばかりではダメだ。日本代表が6日に行ったザンビアとの強化試合では、森重真人が見事なフェイントから相手をかわし、本田圭佑のゴールをアシストした。「二度とやらない」と言う森重だが、球際に深く食いつく彼らのディフェンスを逆手に取ったプレーは見事だ。
考え方として、彼らの球際のプレーに対して「避けよう、避けよう」と受け身に回るばかりではなく、その習性を逆手に取ってやろうとする森重のような選手が、コートジボワール戦では活躍するのではないだろうか。