裏のスペースには大きな穴。ボールに絡めないヤヤ・トゥーレ
――では、攻守の切り替えはどうでしょうか。
「攻守の切り替えはボールを奪ってから3秒以内の出来事なんですが、コートジボワールはゾーンで守って引いているので、奪ってもタテへ出られないんです。だから奪ってもパスは横パスか後ろが多い。くさびのボールを前へグッと当てて、ガッと出ていく、といったプレーがない。
一方、ボールを奪われた時は、SBが高い位置にいるのでピンチになる。ベルギーがどうしたかということにも関わってくるんですが、SBが上がった裏を突くんですよ。CBがボールを入れてメルテンスが突く。
そういうシーンが何回かありました。すぐにプレスをかけるという作業はまったくない。だからベルギーはボールを奪ったら前を向け、コートジボワールのSBが上がっているので、裏のスペースを突ける。特に右サイドですね」
――試合を通して、気になった選手はいますか?
「ヤヤ・トゥーレはもっとキーになる選手かなと思ったんですが、全然、ボールに絡めなかったし……」
――ドログバは後半からの出場でしたね。
「彼が出てきてからコートジボワールは2トップ気味になったんですよ。流れが変わりやすい要素でもあるので、選手交代やシステムの変更は分析時には常に見ますね」
――ドログバの投入で攻め方が変わりましたね。
「ドログバにボールを当てるようになりましたね。前半はほぼ1トップで、ジェルヴィーニョは裏に抜けていたんですが、後半になるとドログバめがけて強く蹴るパスが出てきた。日本がコートジボワールとやる時にドログバが出てきたら、そういうボールが入ってくる可能性があるんだなと準備しておけばいい。
例えば、ドログバへのパスコースにMFの遠藤(保仁)が入っていればパスが通らない。そういう賢さは遠藤にはあるから、パスを遮るポジション取りをすると思いますけどね」