僕が言えるとすれば、ちょっとした厳格さやディシプリンの欠如
――しかしドログバ世代のこのチームは、ずいぶん長い間アフリカ最強と言われながら、ひとつもタイトルを獲得していません。いったい何が足りないのでしょうか?
「たしかにこれだけの選手を揃えながら、ここまで何も得ていないのは普通じゃない。国民の期待に応えているとは言い難い。しかしその理由となると…。選手の能力は疑いない。誰もが認めるワールドクラスの選手たちだ。僕が言えるとすれば、ちょっとした厳格さやディシプリンの欠如。運にも恵まれなかったし、フィジカル面でフレッシュさを欠いたこともあった」
――大きな大会で敗北を繰り返すこと(W杯では過去2回ともグループリーグ敗退。CANは2006年と12年に決勝に進むもののいずれも敗れる)は、このチームの弱点だと思いますか?
「就任したときの状況がデリケートであったのはよくわかっていた。しかし僕自身も勝
利に飢えていた。もちろん彼ら選手たちもだ。
僕が今日、エレファン(コートジボワール代表の愛称)に対する義務を負っているとすれば、それは彼らをこれまでとは異なる別の文脈の中に導くことだ。つまりベンチから、これまでと異なるコーチングで彼らに指示を与える。それがW杯で、新たな実りをもたらすことを願っている。
とはいえこれまでの失敗のトラウマは何もない。大事なのは未来であって、過去じゃないからね」
――それではW杯に向けてどんな風に準備をしますか。最も気をつけるべきことは何でしょうか?
「自分たちの特徴をどれだけ出せるか。そこに集中していきたい。というのもグループリーグで対戦するのは、タイプがまったく異なる3つのチームだ。それぞれの相手に、違った対応をするのは難しい。だからこそ自分たちがどうするか、いかに自分たちのプレーをピッチの上で実践するかを心がける」
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