コートジボワールの選手の能力に疑いはない
――そもそもどうしてコートジボワール代表監督を引き受けたのでしょうか?
「ジャック・アヌマ会長から話を聞いたときはとても驚いた。まさか僕にオファーが来るとは想像もしていなかった。
アフリカ最強と言われる国の代表監督に自分がノミネートされるのは、とても名誉なことだと思った。同時に魅力的なチャレンジだとも感じた。はじめての仕事として、とても断りきれるものではなかった」
――監督経験がまったくなかったあなたにとっては、重圧だったのではありませんか。
「もちろんさ。コートジボワールのような大国の監督は、背負う責任もまたとてつもなく大きい。でも、さまざまなリスクを冒しながら2年を過ごした今、僕は自分の決断が間違っていたとは思わない。その反対で、W杯には出場することができたし、さらに明るい未来が待っていると確信している」
――就任以来の最優先事項は何だったのでしょうか?
「最初の目標はアフリカ・ネーションズカップ(以下CAN)に優勝することであり、それからW杯予選突破があった。南アフリカで行なわれたCAN(2013年1月)は、優勝したナイジェリアに準々決勝で敗れた。残念な結果に終わったが、その後のW杯予選では、最終予選でセネガルを、2次予選ではモロッコやタンザニアを破り、3回連続の本大会出場を果たした。難しい戦いを勝ち抜けたことを、誇りに思っている」
――選手を指導する際に、ドログバやヤヤ・トゥーレ、ゾコラら経験豊富なベテランたちを、監督初心者のあなたがどうやって納得させたのでしょうか?
「第一に、グループ全体に対してできる限り正直であることを心がけた。そして彼らと気持ちをひとつにする。そうすれば選手はコーチに心を開き、コーチを評価する。このチームにはビッグネームがたくさんいるが、彼らは一度として問題を起こしてはいない。ここまで仕事は容易だった」