ストライカーの招集はなんと2人だけ
まずは、圧巻の得点力である。ジェコとイビシェヴィッチは欧州予選の全10試合に出場し、なんと2人だけでチーム総得点の6割にあたる18点を奪ってしまった。ジェコの10得点は得点ランキング単独2位の数字で、イビシェヴィッチの8得点はクリスティアーノ・ロナウドやズラタン・イブラヒモヴィッチ、メスト・エジルと並ぶ3位であった。
また、ジェコとイビシェヴィッチは実に2年以上、1試合も休むことなく全ての国際Aマッチでともに先発出場を果たしている。2012年2月26日のブラジル戦から始まったこの記録は、先月31日に行われたコートジボワールとの強化試合でようやく終止符が打たれた。両者は必ずしも2トップを組むわけではないが、その関係性はまさに以心伝心。まるでテレパシーで通じ合っているかのような息の合ったプレーを見せている。
さらに衝撃の事実がある。実はその2年以上の間、ジェコとイビシェヴィッチ以外のセンターフォワードは1試合も代表戦に出場していないのである。出場どころか、ベンチ入りすらしていない。この2年間、いわゆる“純粋なストライカー”はジェコとイビシェヴィッチしか選ばれていないのである。これはなかなかありえない話だ。
結局、サフェト・スシッチ監督はW杯に挑む23名のメンバーに両者以外のストライカーを招集しなかった。2人に何かあった時のことを考えると危険きわまりないトライだが、このチームにおける両者の大きさを雄弁に物語っている。