日本代表のアルベルト・ザッケローニは10日、ブラジルW杯のベースキャンプ地イトゥで行われた記者会見に出席した。
自身の“代名詞”とも言われている3-4-3システムの状況を問われると、「完成させるには時間が足りなかった」と4年間では完成形には届かなかったことを告白した。
さらに「もしかしたら試合の流れや、タイミングで戦術的な他のオプションを試すことはあるかもしれない」と語ったが、3-4-3システムに関してはザッケローニ監督自身が語っているように、これまでの試合で十分な効果を発揮出来なかっただけに現実的ではない。
「監督としては、自分のサッカー観や哲学は持ってしかるべきだが、それを選手に強要してはいけないとも考えている。選手たちに合ったシステムを作っていくことが大切で、選手たちが慣れたものを作ってあげることも大切だと思う」
ザッケローニ監督は、3-4-3で鍵となる豊田陽平やハーフナー・マイクといった前線のターゲットとなれる選手の招集を見送って、「選手たちは4-2-3-1の方が適しているのではないかと思う」と語った慣れ親しんだシステムで“主導権を握るサッカー”を貫くことを選択した。
とは言え、青山敏弘と森重真人は積極的な縦パスで新たな武器をもたらし、齋藤学はドリブル突破でアクセントをつけることが出来る。彼らも十分に“オプション”として計算可能だろう。
W杯本大会では主導権が握れない状況も有り得るだけに、ザッケローニ監督の采配に注目したい。
【了】
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