豪華リゾート施設をベースキャンプとして利用
ブラジル・サンパウロ市内から、北へ約160キロメートル。路線バスに揺られ、約3時間の道のりを走ると、人口2万人弱の小さな町「アグアス・デ・リンドイア」が見えてきた。
“アグアス”とはポルトガル語で水。「リンドイアの水」を意味する、この山間の静かな保養地では、ブラジルW杯で日本代表と対戦するコートジボワールがキャンプを張っている。
“コートジボワール”は、フランス語で“象牙海岸”を意味する。15世紀にポルトガル、イギリス、オランダなどの貿易船がこの地を訪れ、奴隷や象牙の売買を行ったことから、この呼び名が付けられた。
サッカーのコートジボワール代表は「エレファンツ」の愛称で親しまれている。西欧各国によるアフリカ分割で、この地はフランスの植民地となったため、今も政治的にはフランスとの結びつきが強い。
彼らがベースキャンプとして利用する施設「オスカル・イン・エコ・リゾート」は、アグアス・デ・リンドイアの中心地から、さらに車で10分ほど山を登ったところにある。
オスカルとは、この施設の経営者、JSLの日産自動車でプレーした元ブラジル代表、オスカル・ベルナルディ氏を指す。何面もあるサッカー場、テニスコート、プール、サウナ、レジャー施設など、この豪華リゾートにはあらゆる設備が整っている。
日本代表もキャンプ地の候補として、このオスカル・インを見学していたそうだが、空港への距離が遠いことを理由に取り止めた。とはいえ、最終的にキャンプ地に選んだイトゥは、施設工事の遅れが問題になった。