「僕らにとって大きな教訓」。格好の叩き台となったパラグアイ戦
しかしこのような展開こそが、本戦でも大いに想定できる“リアル”なゲーム運び。過去の大会でも、W杯や欧州選手権のような、1試合の勝敗が重要なトーナメントでは、フランスはたびたび鉄壁ディフェンスに苦しめられてきた。
その中で、82分に得点をゲットできたのは大きかった。セットプレーを起点に、ジルー、コシエルニーらが絡んだチームプレーの後グリーズマンが押し込んだのだが、膠着した試合では終盤の際どい時間帯でのワンチャンスがいかに大きな結果をもたらすかをレ・ブルーの面々は身をもって体験したことだろう。
さらに、手痛いおまけもついた。
試合終了間際の89分、相手にもFKから同点打を許してしまったのだ。
しかし、「この失点は、僕らにとって大きな教訓となる価値あるものだった」とGKロリスが語ったように、攻めあぐねた末の得点でふっと気が抜ける、ほんの一瞬の怠りが恐怖の失点を招く、という現実をこれまた選手たちは肝に銘じたはずだ。
ノルウェー戦とは180度違う内容となったこの試合も、格好の叩き台となった。
そして最終戦、ブラジル出立の前日に行われたジャマイカ戦は、8-0と大勝した。さすがに相手も精根尽きて、4点をとられた後くらいからは足も止まっていたが、キャバイエの先制点に始まり、ベンゼマがスーパーボレーを含む2得点。
さらに、ジルーが1点、マテュイディが2点、71分から出場のグリーズマンが2点と、ほとんどのゴールが明確な意図をもったビルドアップの末に生まれたものだったのは評価できる。