若手最大のホープ、トム・ロギッチも故障で落選
ウィルクシャー、ケネディの両名が外れたことで、ブラジルに臨む前大会経験者はわずか5名となった。その全ては、中盤から上のポジションの攻撃的な選手。
その中でも注目すべきは、前線の柱として変わらぬ八面六臂の活躍を見せるケーヒル、そして、クラブ移籍に関わるトラブルで3ヶ月の出場停止を受けるなどコンディション面が心配されたマーク・ブレシアーノの2人の「34歳」。
他のベテランが次々と引導を渡される中で、彼らだけは変わらぬ信頼を指揮官から得続けている。
ずっと好調を維持するケーヒルはともかく、ブレシアーノはコンディションもなかなか上がらずに周囲をやきもきさせたが、最後のトレーニングマッチ(7日・対クロアチア戦)では24分という短い時間ながらプレー。
9日になってフルトレーニングを再開させるなど、本番に何とか体調を併せて来ているのは明るいニュースだ。
もう一つ、最後に触れておかねばならいのは、最終選考で落選の憂き目にあった21歳のトム・ロギッチ。
順調であれば中盤の司令塔のポジションを任されるはずだったが、そけい部の故障に悩まされ、出場した試合でもパフォーマンスが上らない状況を受けて、ポスタコグルーは若手最大のホープを切ることを決断した。
コンディションが戻らない以上は「この先10年はサッカルーズの司令塔を任せられる」と言われる逸材を切ることもためらわない?。そんなポスタコグルーの強い意志が表れた判断だった。
かくして、ポスタコグルーと運命を共にする23名の顔ぶれが決まった。彼らは “アンダー・ドッグ”として、死の組と称されるグループBのカギを握る存在になる。
失うものは何もないサッカルーズが、世界最高峰の舞台で世界を驚かせられるのか。若いチームがW杯の舞台に何を残せるのか。
グループリーグ3試合の戦いぶりにサッカルーズの未来を見出せるよう、しっかりと見守ることにしたい。
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