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元セレソンが語る日本サッカー最大の欠陥とは?「いつも10対0で勝とうとしているように見える」

text by 田崎健太 photo by Sachiyuki Nishiyama

日本代表は最大の欠陥、精神的な脆弱さを克服できるのか

 ジウマールは日本代表にはW杯を勝ち抜く力がある上で、“細部”にまだ問題があると考えている。
 
「日本代表は94年W杯のブラジル代表を参考にすべきだった。あのときのブラジル代表には心理学の専門家が帯同していた。それだけ前回大会90年の失敗によるプレッシャーが凄かったからね。

 ブラジルはバレーボール、バスケットなどと同じように心理学の専門家をつけて結果を残していた。セレソンについてはこの94年が最初だったんだ」

 ブラジル代表が雇ったのは、エバンドロ・モッタという男だった。

「エバンドロは、バレーボールの五輪代表でも成功している。練習もずっと見ていて、何か気になることがあると選手を呼んで話をしたものだ。全員を集め て、モチベーションを高める話をすることもあった」

 モッタの話は難しくない。例えば、試合でミスをしたキーパーに対して、「やってしまったことは仕方がない。次に集中しよう」という当たり前の言葉を掛けるだけだ。

 ただ、選手や監督たちは試合に入り込んでいる。一定の距離をとりつつも、理解者であるモッタが改めて言葉とすることが、チームの大きな助けになったとジウマールは振り返る。

「香川や柿谷のようなクラッキの才能は教えることはできない。持って生まれたものだからだ。しかし、精神面のコントロールは後天的なものだ。幾らでも対応できる」

 日本代表は最大の欠陥、精神的な脆弱さを克服できるのかどうか。

 いよいよW杯が始まる――。

【了】

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