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名波浩が回想する98年W杯。初出場への重圧と歓喜の狭間。「下手くそで弱かったけど色は好きでした」

text by 原田大輔 photo by Kenzaburo Matsuoka , Getty Images

「オレらはその扉を開けただけ」。今の代表への思い

名波浩が回想する98年W杯。初出場への重圧と歓喜の狭間。「下手くそで弱かったけど色は好きでした」
「長友、長谷部、本田(圭佑)といった育成年代では注目されてこなかった選手と、香川のようなエリートとが融合されたチームができあがる」と名波は語る【写真:Getty Images】

――これまで日本代表が歩んできた変遷をどう見ていますか?

「結果だけを見ても、階段は上っていると思います。全敗からスタートして、決勝トーナメントにも進出した。ドイツ大会は躓いたけど、個人的にはあのチームが面子的にも史上最強だと思っていた。

 今回は、長友(佑都)、長谷部(誠)、本田(圭佑)といった育成年代では注目されてこなかった選手と、香川(真司)のようなエリートとが融合されたチームができあがる。彼らの活躍もあって、今や子供たちにとって憧れは、ただのプロサッカー選手ではなく、レアル・マドリーやバルセロナでプレーすることになった。

 本当に彼らの力で、大きな夢を描かせてもらっている。その功績は大きいですよ。オレらはその扉を開けただけに過ぎないですよね」

――最後に名波さんが思う、1998年フランスW杯に臨んだ日本代表とはどんなチームでしたか?

「下手くそで弱かったけど……色は好きでした。よくみんなで練習するし。あとはなかなか壊れないチームでしたね」

【了】

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