「現代のサッカーで勝つためには、2つの特徴をチームが持てなければなりません」
――同じショートパスを特徴とするコロンビア相手でも、日本の特徴は発揮できると思いますか?
「間違いなく出せると思います。何の疑いもありません。コロンビアの選手は非常にテクニカルで、リズミカルなスタイルのサッカーを標榜します。ラダメル・ファルカオが怪我で出られない可能性もありますが、もし彼を欠くことになると、コロンビアの攻撃力は相当なダメージを受けることになると思います(取材後、欠場が決定)。
私はかつて、コロンビアのスポルティング・バランキヤで1年間、チームを率いていました。コロンビアのスタイルとしては、ショートパス主体のサッカーをしてきます。もちろん、日本はコロンビアにボールを持たれる時間はあると思いますが、チーム全体で意思統一し、コンパクトな陣形の守備から奪った後の鋭いカウンターを出して日本が持つ本来の実力を発揮できれば、私はコロンビアにも十分に勝てると思っています」
――前回の南アフリカ大会の日本代表は、両サイドの松井大輔選手、大久保嘉人選手も献身的に守備をこなし、本田選手が1トップに入って、カウンターでゴールを狙うというサッカーでベスト16まで進みました。ただ、それは日本のメディアからすると守備的と評価されました。今大会、日本は自分たちのサッカーをするべきだという論調がありますが、そこに関してネルシーニョ監督の意見を聞かせていただけますか?
「現代のサッカーで勝つためには、2つの特徴をチームが持てるようにトレーニングをしなければなりません。まずは守備ができ、守備からカウンターへ鋭くつなげられるか。そしてパスで崩すサッカーができるか。ゲームの流れの中では、その2つを自由に、ごく自然に使い分ける必要があります。
当然、守備だけしかできなければ、おっしゃるように引き籠ったサッカーになってしまい、奪った後に攻撃の形が作れなくなってしまいます。例えばコンフェデレーションズカップのブラジル代表の話ですが、ブラジルはその2つの特徴を使い分けるサッカーをやっていました。守備の時にはシステムを4-1-4-1に変え、ネイマールもフッキも中盤のラインまで戻ることで守備をしていく。
ただ、彼らは前線でタメを作り、攻撃に出られる能力があります。ボランチも攻撃に顔を出し、関わっていける能力を持っていますから、ブラジルはトータル的なサッカーを展開していくことができました」