「今回の組分けはフットボールの歴史の中でも、驚きのエピソードとして残る」
――ですがバルサと同じく、スペインのプレーは分析され尽くしています……。
「それは否定できないが、ボールの支配者となる自分たちのフットボールを放棄するつもりはない。確かに、スペインは誰もが知っているチームとなったが、マイナーチェンジによってプラス要素を加えることは十分に可能だろう。
スペインとバルサが、ボールを支配することによってフットボール界で名を広めてきたならば、守備やカウンター重視のフットボールを見せることはなおさら許されない。もちろん、試合を通してボールだけ支配していればいい、ということではないけどね」
――今回のW杯で、警戒していることはありますか?
「まず思うのは、グループ分け抽選でまったく恵まれなかったことだ。グループリーグ初戦が、南アフリカW杯の決勝と同カードなんてあり得ないよ! それにグループリーグを突破したとしても、決勝トーナメント1回戦で強大なライバルとの対戦が控えている。
今回の組分けはフットボールの歴史の中でも、驚きのエピソードとして残るようなレベルだ。スペイン対オランダが、グループリーグ初戦のカードなんて……。とにかく、抽選が公正に行われた証拠と思うしかないね」
――今回のグループリーグは、かなり厳しいという見解でしょうか?
「オランダ、チリとは何度も対戦しているし、かなり手強い相手であることは言うまでもないだろう。オーストラリアのことはあまり知らないけど、どのようなチームなのかをしっかりと確認する必要があるね。
今回のグループリーグは、どの国がどんな役回りになるのかが本当に予想しづらい。難しいグループとしか言いようがないよ。それに加えて、シーズンを終えた直後の大会であることや、暑さ、長距離移動など、すべてのことが影響を及ぼすはずだ……。
ただ、それらの要素を言い訳にすることは許されない。条件はどの代表チームも一緒だし、スペインだけが厳しいわけではないからね」