「課題を修正できるというのはプラスに捉えたい」
「ポジショニングや、ここにこぼれてこないだろうという場所にこぼれてきて、相手はそれに反応している部分があった」と山口。代表に定着した昨年の東欧遠征からセカンドボールを強く意識し、ザッケローニ監督の信頼を高める要素となってきた。
しかし、ザンビア戦は予測がことごとく外れたのか、ボールがこぼれる場所におらず、反応の鋭い相手にボールを奪われては後手の対応を強いられた。ただ、そうした流れをそのまま引きずらないのが山口の良さでもある。
「ボランチが下がらずにCBを2枚開かせてビルドアップしろと。あとは中が閉められているという話はしました」
前半18分に岡崎が相手GKと交錯して負傷し、試合が中断されるとザッケローニ監督と状況を確認し、高い位置のポジショニングを心掛けながら、11番のクリストファー・カトンゴなど起点となる選手に厳しいプレッシャーをかけた。
後半に向けては“もっとインテンシティを高めろ”と監督から指示があったという。前の選手がプレスに行った後ろで遠藤と共にしっかりフォローしながら、的確なチェックでボールを奪い、素早いパス出しで直後の攻撃に結び付けるようになった。
それでも山口は「やっぱりカウンターを何回か食らうシーンとか、オフサイドになったけどGKからの一発で裏を抜かれるシーンもあった。コートジボワールだとドログバがいてもっと厳しくなる」と気を引き締めた。
「アフリカのチームと90分を通してやるのは初めてだったので、その意味では良かったと思います。集中してなくてセットプレーで失点してしまったことも本戦の前に出て、その課題を修正できるというのはプラスに捉えたい」
「チームの軸になっていけるポジション」と山口が語るボランチは目立たないが、試合の流れを左右するポジションであり、中盤の攻防が生命線となる日本代表では本当にカギを握る。
3試合を通してフルに戦える体力とメンタリティを備えたボランチは、W杯で日本代表に躍進のベクトルをもたらすことができるか。
【了】
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