いつも悪い試合の入り方
ザンビア代表は日本では未知のチームだが、好チームだった。守備では規律があり、攻撃も組織的。もともと弱いチームではない。
1988年のソウル五輪で準々決勝に進出、特にイタリアを4-0で破り世界に衝撃を与えたザンビアは、飛行機事故で代表選手の多くを失う悲劇がありながらも粘り強く強化を続け、2012年にはアフリカネーションズカップを制している(ザンビアの悲劇については『アフリカサッカー 歓喜と苦悩の50年』(実業之日本社)に詳しい)。
そんなザンビアに4-3で逆転勝利した日本代表。苦戦を強いられた原因には、日本とザンビアにおけるこの試合の位置付けの違いがある。日本が“調整”の一環であるのに対し、次のW杯を目指すザンビアにとっては“強化”となる大事な試合。先日対戦したコスタリカと比べても、そもそもの目的が違うのだ。
とはいえ、だ。序盤で2失点、計3失点というのは不安が残る。要因は立ち上がりの悪さ。スタートから試合のリズムを掴めず、失点。これは何もザンビア戦に限ったことではなく、ザックジャパンに常につきまとう課題だ。
コスタリカ戦でもそう。欧州遠征のオランダ戦、ベルギー戦でも先制点を許している。日本のリズムを取り戻せば、これらの試合のように結果を逆転・引き分けに持って行けているが、セルビア戦、ベラルーシ戦、ウルグアイ戦のように自分たちの時間帯になるのが遅いと破れている。
尻上がりと言えば聞こえはいいが、やはり“立ち上がり”は弱点と言わざるを得ない。なぜリズムを掴むのが遅くなってしまうのか。
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