「これが最後のW杯のつもりで思い切りプレーした方がいい」
外国人記者からも「これがラストW杯なのか?」と繰り返し質問され、本田は流暢な英語で「I don’t think so, but I don’t know(そうは思わないけど、自分にも分からない)」と切り出した。
「これが最後のW杯のつもりで思い切りプレーした方がいい。それが最も重要なことだと思います」
こうした決意を本田が公の場で語るのは非常に珍しい。それだけ二度目のW杯の大舞台に懸けるものがあるということだ。前回の南アフリカでは初戦・カメルーン戦で日本の勝利を引き寄せる先制点を叩き出し、デンマーク戦では1次リーグ突破を確実にするFKを決め、一躍スターダムにのしあがった男は、それを上回る結果を残すべく、CSKAモスクワやACミランで高い目標にチャレンジし続けてきた。
イタリアでは予想外の苦戦を余儀なくされたが、それもブラジルでもう一段階ステップアップするための糧になるはず。本人はそう思っているに違いない。そんな本田圭佑が本番までの2週間でチームをどのようにけん引するのか。
二つの自信を胸に、本田のザックジャパンにおける集大成が始まる。
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