「このメンバーではセットプレーではやや分が良くない」
――あらためて、現在の日本代表の特長とは何でしょうか。
「やはり、大迫選手と縦関係にある本田選手は非常にストロングポイントだと思うし、スピードと技術が備わっている関係があると思う。もちろん柿谷も技術的に素晴らしい。香川選手は想像力あり、遠藤選手と長谷部選手は経験豊富で、本当に知的な選手で、試合のリズムを作れる。しっかりと試合をコントロールするためにも必要な選手だと感じます。
守備については今野選手は身長が高くありませんがタイミングよく競ることができるし、マークへのスピードも速い。しっかりとバランスが取れたチームではないかなと思います。ズバ抜けている選手がいるわけではないのですが、非常にまとまりのあるチームで、システムもとてもバランスが取れていると思う」
――私ならこの選手を起用したいという意見を聞かせてください。
「その質問に答える前提として、布陣、メンバー起用というものは日々、選手たちと過ごす中でその監督が決めることであるということ。その上で答えると、日本代表が採用する[4-2-3-1]はコンパクトにできるシステム。W杯を戦うことを考えたときに[4-2-3-1]、あるいは[4-3-3]が日本人選手の特長が最も生かされる戦術だと思います。
[4-4-2]という2トップのシステムではそこまで機能できないのではないかなと。[4-2-3-1]の中盤を少し変えれば[4-3-3]にもなれる。その意味では浦和の阿部選手は重要です。彼はボランチもできるしDFもできる選手(編注:取材は23人発表前)。
彼を起用すると仮定すれば、4バックの前にワンボランチという形で置いて、[4-3-3]もできるのではないかと思います。そうすれば、よりコンパクトになると思う。ただし、それは決して守備的な采配という意味ではありません。
遠藤選手、長谷部選手を見ると、ワンボランチができるタイプではないと思います。でも、阿部選手ならばできます。もちろん状況に応じて守備的にならなければいけない場面もあると思うが、ザッケローニ監督は様々な状況を準備していると思う。阿部選手を入れることで高さも出てくると思う。それはセットプレーを含めてです。
このメンバーではセットプレーではやや分が良くないように思うので。もちろん、そういったことはザッケローニ監督も考えていること。日々、選手たちと接しているわけなのでね。常に選手たちと共にいる監督が一番選手たちのことを理解しているのです」