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日本代表 10年前

長友との連携だけでなく――。ザックジャパンを活性化させる、香川の攻撃ビジョン

日本代表の攻撃の要・香川真司。左サイドにおける長友との連携はザックジャパンの武器の1つになってきた。だが、それだけで勝てるほどW杯は甘くはない。本人もそれは自覚しており、攻撃のビジョンを広げることは常に意識してきた。

text by 河治良幸 photo by Getty Images

香川が語る守備に対する責任感

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香川真司【写真:Getty Images】

 イングランドでの難しいシーズンを終え、鹿児島合宿を経てブラジルW杯の壮行試合となるキプロス戦に臨んだ香川真司は、内田篤人の先制ゴールを呼び込む決定的なシュートを放つなど、多くのチャンスに中心的に絡んだ。ただ、鹿児島では暑い中で5日間に渡り体を追い込んだため、その影響は運動量や一瞬のキレに表れていた。

「あそこまで追いこんで試合というのはなかったので、それにしては体が動いた部分はありましたけど、キレ自体はなかったですし、いっぱいいっぱいのところも多々あった。リカバリーを終えて休みが入ったので、(現在の)体はリフレッシュしているし、ここから練習を重ねて試合をやっていく中でどれだけ上がっていくかが大事だし、練習してチェックしていきたい」

 そうした状況でも守備の貢献はここ最近で大きく変わってきている。[4-2-3-1]というシステムの構成上、ウィングとSBの間は距離ができやすいが、ここでは守備時にボールが香川を追い越すと、素早く中盤に落ちてコンパクトな位置をとる動きがスムーズにできている。

「やっぱりマンチェスターで左サイドをやることが多くて、攻守に渡って求められるポジションですし、スピードのある選手がプレミアリーグにはたくさんいますから」

 そう説明する香川は「おそらくW杯でも対峙するのはセリエAで活躍している選手が多いので、そういう意味では僕が守備の方もがんばらないといけない」と加えるが、プレミアリーグでワールドクラスのSBと戦ってきた経験は大きな自信と同時に、守備に対する責任感にもつながっているのだろう。

 攻撃面で新たな可能性が見られたのは後半13分から1トップに入った大久保嘉人とのコンビネーションだ。「嘉人さんは流動的でスピードもあるので、合わせられるし、合わせられるのもうまい」と香川は語る。

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