「俺を使ってゴール前に行く形を増やしたい」
「2人には試合が終わってからも言いました。ボールを奪った時はディフェンスが崩れてるから、その瞬間に入れてもらえば一番チャンスになる。それは絶対にできるはずだし、練習からやっていきたい。
このチームではあまり(1トップの)自分が下がらないようにいって言われるけど、多少は下がらないと孤立するし、チームのスムーズさがなくなってきて、みんな疲れる。距離感が遠ければミスも起こるので、そこを埋めてやるぞっていう気持ちでやっている。
どんどん俺に入れてもらって、俺を使ってゴール前に行く形を増やしたいですね。そういうのはたぶん今までのこのチームにはなかったと思うから、それをもたらしたいなと。監督が言うことをやるのは大事だし、もちろんやりますけど、その中で自分のよさってものを出さないと、日本の怖さがなくなりますからね。
真司にも『お前もうちょっと自由に動け』と言いましたよ。『お前が中に行ったら、俺がお前のところに戻るから、どんどん動いていいよ』とね。もっと自由な発想でやっていいと思いますよ。俺自身も感覚でやっています。
味方との距離によってサポート行ってやろうと思えば近くに行ってコンビネーションで崩しますし、中にいた方がいいなと思えば中で崩しますし、その時の状況をしっかり見極めたい。そういう感覚を大事にしないと意味がないので」
こういう大胆なトライをする選手がこれまでの日本代表にはいなかった。だからこそ、大久保が頼もしく映ったのだろう。キプロス戦はわずか40分弱のプレーだったが、大久保自身は「イケる」という手ごたえをつかんだという。
「代表でホント久しぶりにやったし、海外組とは(ザックジャパンになってから)初めてやったんですけど、『やれるな』っていう気持ちの方が強いです。楽しみだなと。何をすべきかもハッキリ分かった。あと2週間あれば全然大丈夫です」
6月2日のコスタリカ、6日のザンビア戦では彼の出場時間は増えるのか。そしてポジションはどうなるのか。いずれにしても、大久保をどう起用するかで、チームの命運は大きく変わる。それだけは間違いのない事実だ。
【了】
関連リンク
Fチャンワールドカップ2014ブラジル大会特設ページ
遠藤保仁、W杯を語る。日本サッカーが手にした知性
大久保嘉人のサッカー攻撃テクニックバイブル
一流フットボーラーがリアルに語る「個」の戦術論