「ヤットさんはリズムを作れる」
――では、選手としての遠藤保仁について聞きましょう。
「代表では完全に黒子ですね。前線にいい選手がいるので、彼らを活かすことに徹している感じです」
――遠藤選手へのパスで気をつけていることは何かありますか?
「とくにないですね。いつでも受ける準備ができているので、こちらのタイミングでパスを出せばいいんです。ヘンなタイミングでパスしても、ちゃんと対応してくれるんですよ。さすがに相手のプレスがきついときは、パスしたあとサポートするように心がけてはいますが」
――W杯予選では遠藤・長谷部のコンビが鉄板でしたが、山口蛍もオランダ戦あたりから定着してきました。DFとしてボランチの組み合わせが変わるというのは、どうなんでしょうか。
「オランダ戦のときは、まずは守備、という入り方でした。相手もW杯で優勝を狙うような強豪ですし、我慢する形も多くなる。(山口と長谷部のコンビは)2人ともガツガツいけるタイプで、こぼれ球も拾えます。
攻撃のときはボランチへつなぐというより、DFから前線にパスして彼らに前を向かせるイメージでしたね。まずはコンパクトに守って、奪ってから行こうと。前半はそれなりに上手くいったと思います」
――後半から遠藤が入った。
「そこからは地上戦勝負ですね。ヤットさんはリズムを作れるし、後半から入って攻撃が活性化しました」
――それはチームとして狙っていた変化ですか?
「いや、そうでもないと思います。僕らはボールを持って攻めるのが得意ですが、相手が強いと我慢の時間もありますから、前半はまさにそういう時間だったのかなと」