“最終選考”の場は慣れ親しんだホーム。23人に残ることが出来るか
もちろん現段階でクラマーが最終的な23人に選ばれるかは何も決まっていない。しかし合宿を通して首脳陣からは高い評価を得ているようである。
5月28日付SportBild誌上では「Der Marathon-Man(マラソンマン)」とされ、代表アシスタントコーチのハンス・フリックは「クリストフ・クラマーの登場は我々に強い印象を与えている。彼は驚くほどよく走り、技術に優れているだけでなく、前にアクセントをもたらすことができる」と述べている。
またKicker電子版5月26日付の記事によればレーブも「率直にチャンスはある。恐ろしくよく走る選手であり、耐久性に優れ、守備面では1対1に強く、ボールを失わない。私の中で彼の印象は率直にポジティブだ」としている。
これもまた幸運と呼べるのかもしれないが、最終メンバー発表の直前に行なわれるカメルーン戦は、クラマーが慣れ親しむボルシアMGのホームスタジアム、ボルシア・パークで行なわれることとなっている。
クラブ公式HPのインタビューでは、そのことを問われ、クラマーはこう応えた。
「もちろん、現在のホームでプレーすることはとても特別なものだし、ファンが連れ立って、僕たちがボルシアのホームゲームで楽しむ素晴らしい雰囲気を作ってくれることを望んでいるよ。もちろん、僕の庭で監督が数分の出場機会を与えてくれることもね」
この1年でブンデスリーガ2部から1部、そして代表チームまで駆け上がり、ポーランド戦では13.93kmと他の誰よりも走り抜いた謙虚な「マラソンマン」は、果たして決戦の地ブラジルへと向かう23人の中に、その名を連ねることが出来るだろうか。
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