ポーランド戦限定メンバーから急遽30人の候補入りを果たしたクラマー
運も実力の内、とは良く使われる言回しだが、ブラジルW杯に向けてイタリアは南チロルで合宿を張っているドイツ代表候補の中で、そういった類いの幸運を引き寄せようとしている男がいる。クリストフ・クラマーである。
鹿児島での合宿に入る前に23人の本大会メンバーを発表した日本代表とは違って、ドイツ代表は6月1日に行なわれるカメルーン戦の後に最終の23人が発表される。
5月8日に30人のブラジル大会代表候補が発表され、5月13日の親善試合ポーランド戦を経て、さらに絞られた27名が合宿に参加することとなった。つまり、現在南チロルはサバイバルの真っただ中、という訳である。
今、その生存競争の中にいるクラマーは、そもそも5月8日に発表された候補メンバー30人のリストの中に、名前はなかった。
少しややこしいが、5月13日の時点ではドイツカップ決勝、FAカップ決勝はまだ控えており、またスペイン、イタリアの国内リーグも日程を残していた。そのため、ポーランド戦に向けて、8日に発表されたメンバーの内半数以上が招集できなかったのである。
そこで8日に発表されたW杯候補30人のリストに名前のない、ポーランド戦限定のメンバーも招集されることとなった。そしてクラマーは、当初そのポーランド戦限りの要員に過ぎなかったのである。