残り2戦の課題は「機能性の微調整」。名誉挽回へポジティブな滑り出し
また、マテュイディを下げてマブバを入れた後は、キャバイエを前に出してこの純正アンカーを底に据えることでよりディフェンスが安定した。
同じ頃投入されたグルニエとの三人で形成する新たな中盤の三角形は、よりディフェンシブながらも、機を見て攻撃をしかけられるという、リードしている試合の終盤戦で威力を発揮しそうなオプションだ。
序盤のジルー、グリーズマンのコンビネーションはまだ機能していなかったから、デシャン監督が試合後「まだまだ100%ではない。準備は整っていない」と語ったように、今後練り上げる要素はいくつもある。
しかし、鉄板イレブン+多彩なオプション、という今代表の特性が見えたのは、テストマッチ初戦の大きな収穫といえる。
このあとフランスは1日にパラグアイ、8日にジャマイカと対戦する。
残り2試合の課題について指揮官は「選手達の機能性の微調整」を挙げた。ポグバはユヴェントスでは中盤の左だが、代表では右。キャバイエはクラブでの役割とは若干異なる中盤の底を務める。その違いに、実戦の中で順応させていくことが狙いだ。
この初戦から見えた課題を挙げるなら、相手にリードされた展開でどう戦えるかという点。予選のスペイン戦でも2枚のイエローカードで退場になったように、ポグバのような若き勇士は劣勢になると熱くなり、個人技に走ったり、無謀なプレーに陥りやすい。
そのときに周りの中堅プレイヤーがいかにバランスをとってやれるか。また、この試合後も報道陣から質問が飛んだが、ベンゼマ>ジルー、というアタッカーのヒエラルキーにもより柔軟になる必要があるかもしれない。
ブラジル出立前、最後の首都パリでの試合は、スタンドから「メルシー! レ・ブルー!」の声援が飛ぶ活気ある雰囲気に包まれた。
フランス代表は、今大会に向けて、ポジティブな滑り出しを切ったようだ。
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