一層評価が高まった「経験のある選手」。無闇な世代交代はリスク
今回の女子アジア杯を経て、DF宇津木瑠美、FW高瀬愛実ら前回の女子W杯で試合にあまり関わることができなかった選手の評価は、明らかに高まった。今回なでしこジャパンが優勝を果たす上で重要な戦力となっていた。
しかし佐々木監督が指す「経験のある選手」の評価も、一層高まったことを忘れてはならない。DF岩清水梓、宮間、大儀見はもちろんGK福元美穂、MF阪口夢穂、MF川澄奈穂美も、代えの利かない選手であることが、改めて証明された。
「女子W杯に向けたサバイバルはすでに始まっている」と指揮官は話すが、前回の女子W杯ドイツの登録メンバーと来年の女子W杯カナダの登録予想メンバーを比較すると、入れ替わる選手は5人程度と少なくなりそうだ。
アジア第1代表として、そしてディフェンディングチャンピオンとして臨む来年の女子W杯は、前回大会以上の多大なマークと相手チームからの分析をかいくぐって戦い抜かなければならない。
これに対してメンバーを固定して臨むのは確かにリスクを伴う。しかし、それ以上に注意を払うべきは無闇な世代交代だ。
ロンドン五輪以降、U-20日本女子代表(ヤングなでしこ)とU-17日本女子代表(リトルなでしこ)が世界大会で成果をあげたが、なでしこジャパン選手と比較すると今はまだ力の隔たりが大きい。