アジア杯初優勝は高く評価。それでも選手の言葉に慢心なし
連日30度を超える高温多湿の中、約2週間をかけて行われた女子アジア杯(ベトナム)は、なでしこジャパンの初優勝で幕を閉じた。
女子W杯ドイツ優勝、ロンドン五輪準優勝、そして今回の女子アジア杯優勝と、次々に歴史を塗り替えていく近年のなでしこジャパンは、確かに強い。特に今大会はフルメンバーを招集することができなかった中で、優勝という結果を残したことは非常に高く評価できる。
逆境の中で最高の結果を得た。劇的な勝利があった。その一方で、内容は慎重に分析しなければならない。7大会連続の女子W杯出場を決めたなでしこジャパンは、来年夏の『本番』に向けて強化を加速させていくことになる。その意味で、決勝戦後に選手が口にした言葉の一端には重みがある。
「チームとしての課題はまだある。このままでは正直、女子W杯での連覇はない」(MF澤穂希)
「まだまだチームとしても、個人としてもやらなければいけないことがある。すべてをレベルアップしなければいけなない」(MF宮間あや)
佐々木則夫監督も大会中に「女子W杯の決勝トーナメントほどのサッカーはできていない」と評している。W杯連覇という難題に挑むまでの1年間で、なでしこジャパンはさらに成長しなければその望みは叶わない。