「相手が落ちてくるのも頭の中には入れていた」
昨年11月のオランダ・ベルギー2連戦で存在感を一気に高め、遠藤保仁・長谷部誠の鉄板ボランチに割って入る勢いを見せている山口蛍。その彼が27日のキプロス戦では90分フル出場した。
遠藤と組んだ前半は相手のタイトなマークに苦しんだ。いい距離感を保てず、なかなかバランスがとれなかったが、長谷部と組んだ後半はチーム全体に安定感をもたらした。
「前半は相手が中盤のところでしっかりとプレスかけてきていたんで、なかなか自分たちでうまく回せてなかったかなと。やっぱり足元は厳しかったかなと思いますし、ボールを誰かにつけても結局、もう1回返すだけって感じになってしまっていた。あの時間帯に裏に抜け出す動きをもうちょっと見てあげたらよかったのかなと思いますけど。
後半は相手もちょっと疲れてスペースもあったんで、うまく回せたと思います。相手が落ちてくるのも頭の中には入れていたし、ワンタッチ2タッチで早く動かそうっていうのを後半は意識したんで、そっちの方がスムーズに流れたかなと思いました」と彼は淡々と試合を振り返っていた。
指宿合宿のハードトレーニングの影響でチーム全体の動きが鈍く、攻撃チャンスを作っても思うようにゴールをこじ開けられない時間帯が続いたが、前半43分に内田篤人が待望の先制点を奪った。その起点となるタテパスを出したのが、山口だった。
「僕は打つかパス出すかっていうところで二択やった。あそこでは出した方がいいなって思ったし、得点に絡んだのはいつも一緒にやっている人ばっかりだった。それでいいコンビネーションができたんやろなと思いました」
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