「サッカーが国民に力と希望を与える」
28日、独立行政法人国際協力機構(JICA)とソニー株式会社は、ブラジルワールドカップの開催期間中、日本の対戦国であるコートジボワール現地でパブリックビューイングを行うことを発表した。4年前の南アフリカワールドカップでも行われた取り組みは、今大会でも行われるようだ。
1990年代から2011年まで、20年にわたる内戦を経験したコートジボワール。人々が対立し合い、国は南北に分断され、社会的、経済的、軍事的な混乱にさいなまれてきた。
2005年には、コートジボワール代表がワールドカップ出場を決めた瞬間、選手たちはピッチ上に座り、内戦のさなかにあった母国に平和を呼びかける一幕もあった。そして2011年、内戦を終えたコートジボワール政府が創設した「対話・真実・和解委員会」のメンバーには、同国のスター選手、ディディエ・ドログバが名を連ねている。
「国の再建と復興にむけた道のりを歩むコートジボワールにとって、サッカーが再び国民に力と希望を与える」とJICAは考えている。
そして迎えた2014年のブラジルワールドカップ。JICAとソニーは、無電化地域でも供給可能な電源設備を整え、200インチの巨大テレビを使ったパブリックビューイングを現地で実施する。参加費は無料。
首都ヤムスクロ、最大都市アビジャンを含めて10回を予定し、8000人の観客を見込む。サッカーによる楽しみや感動の共有は、今後の重要な新興国市場としてのアフリカにおける、ソニーの重要なマーケティング上の施策としても捉えられている。
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