「キプロスみたいに引いた相手には早くボールを回していかないと」
今年1月に右ひざを負傷し、2月末には再手術を余儀なくされていたキャプテン・長谷部誠。5月11日の今季ブンデスリーガ最終節・シャルケ戦で公式戦復帰を果たしたものの、彼がブラジルW杯でどこまで戦えるかは未知数な部分が多かった。
「足の状態は大丈夫。普通に練習でもできるし、紅白戦もやっています。練習の中でもマックスまで上げていますけど、リバウンドもないので」と長谷部は25日に打ち上げた指宿合宿最終日に手ごたえを強調していた。
だが、27日の壮行試合・キプロス戦はベンチスタート。ザッケローニ監督は指宿で長く組ませていた遠藤保仁と山口蛍のコンビをボランチで先発させた。
山口は「ヤットさんと組む時にはできるだけ守備の負担を減らすようにしたい」と自らがサポート役に徹する考えを示していたが、この意識がマイナスに作用したのか、前半はいい距離感を保てない。相手のプレスが厳しく、ボランチのところで詰まってしまう場面もたびたび見受けられた。
「前半見ていて、ボールを取られてからすぐに切り替えて取り返した時が一番チャンスになっていたので、そこを早くしようと。あとは素早いタイミングでタテパスを入れていこうと思いましたね。
キプロスみたいに引いた相手には早くボールを回していかないと『各駅停車』になってしまう。もう1つ飛ばしたり、早いタイミングで前に当てたり、緩急をつけないと厳しいというのは前半、感じていたので、それを意識してやりました。
相手も疲れてきていたし、後半の方が押し込めるかなという感じはありました」と、後半からピッチに立ったキャプテンは自分が何をすべきかをしっかりと理解していた。