「来てくれた全員が高め合ってくれた」。4年間に選ばれた全員が土台築く
3人の序列に関して川島が「自分としてはポジションが安泰だと思ったことは一度もない」と語ったことがあった。彼は名古屋時代に元日本代表の楢崎正剛に挑戦する立場を経験し、4年前のW杯でもポジションを掴んだのは直前のテストマッチだった。
しかも、楢崎に対して実力で完全に上回ったというよりは、苦しいチーム状況の中で「チームの流れを変えたい」という岡田武史前監督の方針で、GKという1つしかないポジションに白羽の矢が立った側面もあった。
「年齢こそ川島が上だが、3人で高め合って行くメンタリティを彼も持ち合わせていて、非常に良くやってくれている」(グイードGKコーチ)。
専門職であり、繊細な要素が決め手になりうるGKはチョイスが難しいポジションであり、だからこそ一度固まると変更しにくい傾向がある。
ただ、最終的に誰が選ばれるにしても、良い緊張感を持ってトレーニングしていくことが、出た選手の良いパフォーマンスにつながることは間違いない。そしてスタートから出た選手に何かあった時も、代わりのGKがしっかり代役を務めあげるはずだ。
その一方で「来てくれたメンバー全員が高め合ってくれた」と語るグイードGKコーチは、ここまでの4年間で最終メンバーの3人だけでなく、その時々で選ばれたGKが切磋琢磨してきたことを忘れていない。
予備登録に選ばれた林卓人をはじめ、東口順昭、山本海人、林彰洋、曽ヶ端準といった選手たち。彼らが築き上げたベースの上に現在があるのだ。
「他にもW杯に連れていきたいメンバーはいたが、枠が3+1人ということで決めたことは仕方がない。最終的に選ぶことはできなかったが、代表チームに呼ばれた時に誇りを持ってきてくれて、素晴らしい姿勢でトレーニングに励んでくれたGKたちにも感謝したい」
【了】
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