「試合から消えることなく全てやることが次につながっていく」
5日間に渡る鹿児島合宿が終了し、日本代表はキプロス戦を経て米国のフロリダにキャンプの地を移す。
体力面を鍛えながら、戦術の基本を復習することに主眼が置かれた合宿だったが、その中で独特の空間を作り上げていたのがGKの練習だ。最初の3日間は西川周作と権田修一の2人が精力的に体を動かし、24日から2日間はベルギーから帰国した川島永嗣が加わった。
「キーパーは跳んで起きての繰り返しなので体中が痛いですけど、一度体を追い込むことでコンディションが良くなるということは感じている」と西川が語れば、権田も「しっかりトレーニングして、W杯7試合をしっかり戦える体作りはできた」と手ごたえを感じている。
ここから約3週間で本大会の初戦を迎えるが、良い緊張感を持ち続けて質を高めていくことを予感させる。
「最終的な決定を下すのはザッケローニだが、誰が選ばれても自分的には満足と言うレベルに来ている」と語るのはグイードGKコーチ。
日本代表の守護神に求める主な資質は「試合から消えることなく全てやることが次につながっていく」ことだという。その意図に関して権田修一に聞いてみると「どういう状況が起りうるかということを常に想定しながらプレーすることじゃないですかね。そこは3人とも頭に入れてやっている」という回答が返ってきた。
3人の中でも、これまでの起用法から[川島永嗣⇒西川周作⇒権田修一]という序列を何となくイメージしがちだが、少なくとも練習の空間においてGKコーチを含めた彼らの中にそうした“聖域”は存在していない様だ。