代理人を営むジウマール。元GKながら攻撃的な選手の発掘に定評
そんな中、指導者からの誘いを貰いながら敢えて別の道を選ぶ人間もいる。それが元ブラジル代表のゴールキーパー、ジウマール・ルイス・リナルジである。
ジウマールは59年1月に、ブラジル南部のリオ・グランジ・ド・スール州で生まれた。彼のキャリアの始まりは地元の名門クラブ、インテルナシオナルだった。
元ブラジル代表監督のドゥンガはジウマールよりも3つ年下に当たり、83、4年の2シーズン、同じインテルに所属している。
ジウマールは、インテルからサンパウロFC、フラメンゴを経て、95年から4年間、セレッソ大阪でプレーした。ブラジル代表として、94年アメリカ大会の登録メンバーに入っている。ただし、このときは正ゴールキーパーにタファレルがおり、W杯出場記録はない。
現役引退後、彼は代理人となった。代理人としての名が世界中に知られるようになったのは、元ブラジル代表のアドリアーノを担当してからだ。アドリアーノの他、日本でプレーした、ワシントン(元ヴェルディ、浦和)、ダニーロ(元鹿島)なども彼の顧客である。
「あなたはゴールキーパーなのに、どうしていい攻撃的な選手を発掘することができるの?」と彼に訊ねたことがある。
「当然だよ。キーパーほどフォワードを観察している人間はいないんだ。攻撃的な選手の善し悪しを見抜くことは簡単さ」
ジウマールは笑い飛ばした。