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CL決勝、何が明暗を分けたのか? レアル、アトレティコ、両指揮官の采配を現地記者が読み解く

text by エンリケ・オルテゴ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

シメオネの交代策の是非。ビジャはW杯メンバー入り大きく近づく

CL決勝、何が明暗を分けたのか? レアル、アトレティコ、両指揮官の采配を現地記者が読み解く
アトレティコ・フォーメーションの変化

 この試合でも、彼らにとっての普遍的なシステムと称せる4-4-2を採用したアトレティコ。左サイドのコケはカルバハル、右のラウール・ガルシアはコエントランのオーバーラップを封じ、前半は両選手ともその個人戦に勝利していた。

 また、D・コスタの負傷を受けてもシメオネはプランBに切り替えることなく、アドリアンを同じポジションでプレーさせている。

 シメオネは1点リードで試合を折り返した後にシステムを4-1-4-1に変更。チアゴを両センターバックの前に配置し、2列目にはR・ガルシア、アドリアンを両サイドに置いて4枚として、マルセロが投入された直後にはR・ガルシアの代わりにソサをピッチに立たせている。

 だが、このアルゼンチン人MFはCL準々決勝ファーストレグ、アウェーでのバルセロナ戦同様に当惑したプレーを見せ、マルセロの自由を幾度も許すことに。

 彼はジエゴやマリオ・スアレス投入という選択肢を犠牲にして自身をピッチに立たせた、シメオネの期待に応じることができなかった。

 またもプパスとなってしまったアトレティコ。だが、ビジャにとっては幸運な試合であったかもしれない。彼はすべての観点において、じつに見事なプレーを見せている。得点こそ欠けていたものの、それはチームの攻撃に出る回数が乏しく、ネットを揺らすためには十分なチャンスがなかったためだ。

 しかしながら、この試合では熱心にプレスを仕掛け、相手DFを背中に背負いながらボールを保持して味方の上がりを待ち、要所要所でキレのあるプレーを披露していた。

 スペイン代表候補30名に選出されるグアヘ(ビジャの愛称)だが、この試合が彼のブラジルW杯出場を決定付けるものになった可能性も十分にあるだろう。

【了】

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