アンチェロッティ、交代策によって苦境を打破
アトレティコが36分にディエゴ・ゴディンのヘディングシュートによって先制点を記録し、マドリーにとっては焦りを募らせる展開となった。
しかしアンチェロッティは58分のイスコ、マルセロの投入によって、それまでに持ち得なかったものを獲得する。イスコによって中盤での落ち着き&ボール支配、マルセロによってワイドな展開&プレーの奥行きを手にしたのだ。
選手交代前の中盤での争いは、4選手(ラウール・ガルシア、ガビ、チアゴ、コケ)を据えたアトレティコが3選手(ルカ・モドリッチ、ケディラ、アンヘル・ディ・マリア)のマドリー相手にプレッシングを機能させていた。
しかしながら、ケディラがピッチから退いたことでモドリッチがアンカーを務め、イスコもクロアチア代表MFの近くに寄ることで攻撃の構築が可能に。
マドリーはこの2選手の存在によってボールを保持して攻め込むことが可能となり、ダニ・カルバハル&マルセロの高いポジション取りによって攻撃におけるシステムは2-3-2-3となった(守備時にはベイル&ディ・マリアがサイドをケアする4-4-2に)。
その交代策はマドリーのスペースの埋め方をより合理的にするものであり、疲労の溜まるアトレティコに後方での守備を強い、ゴールから遠ざけることに成功する。
さらに78分、アンチェロッティはベンゼマとの交代でモラタを投入。クリスティアーノ・ロナウドが左サイドから中央に移動してモラタと2トップを組み、同サイドはこの日の最高の選手であったディ・マリア、またマルセロの2選手が占有した。
この猛攻が後半アディショナルタイム3分のセルヒオ・ラモスの同点弾、延長戦のベイル、マルセロ、クリスティアーノのゴールにつながったのである。