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CL決勝、何が明暗を分けたのか? レアル、アトレティコ、両指揮官の采配を現地記者が読み解く

text by エンリケ・オルテゴ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

アンチェロッティ、交代策によって苦境を打破

CL決勝、何が明暗を分けたのか? レアル、アトレティコ、両指揮官の采配を現地記者が読み解く
レアル・フォーメンションの変化

 アトレティコが36分にディエゴ・ゴディンのヘディングシュートによって先制点を記録し、マドリーにとっては焦りを募らせる展開となった。

 しかしアンチェロッティは58分のイスコ、マルセロの投入によって、それまでに持ち得なかったものを獲得する。イスコによって中盤での落ち着き&ボール支配、マルセロによってワイドな展開&プレーの奥行きを手にしたのだ。

 選手交代前の中盤での争いは、4選手(ラウール・ガルシア、ガビ、チアゴ、コケ)を据えたアトレティコが3選手(ルカ・モドリッチ、ケディラ、アンヘル・ディ・マリア)のマドリー相手にプレッシングを機能させていた。

 しかしながら、ケディラがピッチから退いたことでモドリッチがアンカーを務め、イスコもクロアチア代表MFの近くに寄ることで攻撃の構築が可能に。

 マドリーはこの2選手の存在によってボールを保持して攻め込むことが可能となり、ダニ・カルバハル&マルセロの高いポジション取りによって攻撃におけるシステムは2-3-2-3となった(守備時にはベイル&ディ・マリアがサイドをケアする4-4-2に)。

 その交代策はマドリーのスペースの埋め方をより合理的にするものであり、疲労の溜まるアトレティコに後方での守備を強い、ゴールから遠ざけることに成功する。

 さらに78分、アンチェロッティはベンゼマとの交代でモラタを投入。クリスティアーノ・ロナウドが左サイドから中央に移動してモラタと2トップを組み、同サイドはこの日の最高の選手であったディ・マリア、またマルセロの2選手が占有した。

 この猛攻が後半アディショナルタイム3分のセルヒオ・ラモスの同点弾、延長戦のベイル、マルセロ、クリスティアーノのゴールにつながったのである。

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