ついに実を結んだペレス会長の投資。11人目の監督、アンチェロッティが導く
エースを失いながらも死闘を演じたアトレティコの限界は90分で過ぎていたのかも知れない。
延長後半5分にディ・マリアのシュートのリバウンドをベイルがゴールへ押し込むと、同13分にDFの足が止まったところでマルセロが3点目を挙げ、直後の同15分にはロナウドが自ら獲得したPKを決めて4-1。
90分間で輝きを見せなかった高額移籍金の2人が得点を挙げて、悲願のデシマを達成。フロレンティーノ・ペレス会長の巨額投資はついに実を結んだ。
そして、02年優勝監督であるビセンテ・デル・ボスケ(現スペイン代表監督)以降、チームを率いてきた監督は11人。その11人目であるカルロ・アンチェロッティ監督が悲願に導く存在となった。ともにACミランで選手として2度、監督で2度ビッグイヤーを掲げてきた人物の経験値はやはり高いものだ。
一方で、試合終了間際に退席処分となったシメオネ監督は、世界的には決して強豪と言えないチームをここまで引き上げただけに、その手腕は今シーズン最も高く評価されるだろう。
ただ、開幕まで1ヵ月を切ったW杯へ向けて、これほどの激闘を繰り広げた選手はコンディション調整が難しくなるかもしれない。通説では、CL決勝を戦った選手はW杯で活躍出来ないと言われている。
さらに、ジエゴ・コスタの状態が気になる。彼が負傷欠場となればスペイン連覇の確立は格段に落ちるはず。ブラジル出身のスペイン代表というバックボーンも含めて大会の目玉ともなりそうな選手だけに、一日も早い回復が望まれる。
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