ジエゴ・コスタ交代のアトレティコ。攻撃力低下で防戦一方に
さらに、そのシャビ・アロンソに代わってアンカーポジションで起用されたサミ・ケディラの低調なパフォーマンスはアンチェロッティ監督にとっても誤算だっただろう。
攻撃面では存在感が無く、期待された守備では武器であるはずの空中戦でディエゴ・ゴディンに競り負け、カシージャスのミスも重なって先制点を許してしまった。ケディラは、前半のパフォーマンス・スコア(オプタ社による攻撃、守備、ポゼッションでの評価)で、チーム最低となる-19点を記録した。
そのケディラに次いで-16点と低い評価だった左サイドバックのコエントランとともに、後半14分にイスコ、マルセロとの交代を命じられたことは必然だった。むしろ、後半開始からの交代でも全ての人々が納得したはずだ。
レアルは前半、ポゼッション率で57%と上回りながらもシュート数ではアトレティコの5本に対して2本と下回った。シメオネ監督にとっては、負傷をおして強行出場したジエゴ・コスタが開始9分で退いたことを除けば、ゲームプラン通りだったと言えるだろう。
アトレティコにとって、後半45分を無失点で切り抜けることは難しいながらも不可能なミッションではないはずだった。リーガでは最少の26失点で優勝を果たし、CLでも12試合でわずか6失点という守備の堅さで決勝まで進出していたのだ。
しかし、やはりジエゴ・コスタを失った影響は大きかった。終盤にはレアルの猛攻を受け防戦一方。5分間のロスタイムが3分を経過したころ、セルヒオ・ラモスにCKから同点弾を許してしまった。
もちろん、ジエゴ・コスタがいたからといって守り切れたとは言えない。彼はDFではなくFWだ。しかし、前線に強力なFWが残っていれば、相手にとってはカウンターの脅威としてケアしなければならないものであり、攻撃の圧力が少なからず落ちていたはずだ。