両チームともエース不在の危機。歴史的な一戦に募る不安
スペインの首都を代表する2チームが、欧州チャンピオンを賭けて、リスボン(ポルトガル)でしのぎを削ることになるこの歴史的な一戦において、両チームとも100%の戦力で望めないことが今、一番大きな不安材料だろう。
マドリーは、累積でシャビ・アロンソが欠場する他、攻撃の要であるクリスティアーノ・ロナウドとガレス・ベイルが本調子に戻っていない。決戦の2日前、マドリーは既にリスボン入りを果たしたが、ロナウドは25分のグループ練習すら、こなすことができずに終わった。
それでも本人は「故郷のポルトガルで僕は初めての決勝を戦う。そこでマドリーにとって10回目となる欧州杯を持ち上げられたら、どんなに幸せだろう」と決勝で戦う気力に満ちている。
ロナウドよりも更に過酷な状況にあるのが、アトレティコのジエゴ・コスタとアルダ・トゥランだろう。シメオネは2人をリーグ最終節で起用するリスクをおかし、リーグ優勝と引き換えに、この重要な選手をシーズンの最後に失ってしまったのだ。
シメオネ自身は「最後ギリギリまで2人を待つ」と様子見の姿勢を崩していないが、2人抜きでの戦いも覚悟している。奇跡が起きない限り、2人がピッチに立つ可能性は限りなく低いだろう。GKクルトワを始め、堅守に定評のあるアトレティコだが、1試合で勝負が決まる決勝では、得点を決めないことには優勝はない。そこにコスタの負傷は痛い。