「『俺たちにはW杯がある』っていう話は(チームメートと)よくしていました」
日本代表のエースナンバー10を背負う男・香川真司にとって初のW杯への挑戦がいよいよ本格的に始まった。2010年南アフリカ大会では最終登録の23人から漏れ、その悔しさをバネにこの4年間、ボルシア・ドルトムント、マンチェスター・ユナイテッドで世界トップレベルを体感してきた彼だけに、ブラジル大会への思いは人一倍強い。
「4年前は出られなかったですけど、『必ず4年後は自分が中心となってピッチでやっている』っていう意識はありましたし、とりあえずピッチに立って活躍するっていう強いものを持ってヨーロッパに行きました。
ドルトムント、マンチェスターと1年1年、そのチームのために戦って、そのトータル4年間がブラジルにつながればいいなって思いでやっていました。この4年間はこのためにいろんな努力をしてきたって強い思いもある。それを本番で表現できたらいいなと思います」
しかし、ユナイテッド2年目の今季は最も厳しいシーズンだった。デイビッド・モイーズ前監督の中で香川の位置づけはつねに中途半端で、プレミアリーグ出場はわずか18試合。ゴールに至っては欧州移籍後初のゼロという極めて不本意な成績だった。
「でもユナイテッドではみんなW杯に向けて調整している感じだったし、自分も気持ちはそこに向いていました。『俺たちにはW杯がある』っていう話は(チームメートと)よくしていました。
周りの選手たちは『日本と同組のコートジボワールとコロンビアは強敵だね。だけど勝つことは全然可能じゃないか』って言っていたけど、日本のことは実際にはあまり分かってないんじゃないかな。
日本の選手で知っているのは(本田)圭佑君と(長友)佑都くらいだと思うし、彼らからしたら日本はそんなに強いチームじゃない。その印象を変えるには僕らが結果で証明していくしかない。
W杯っていうすごくインパクトのある大会で、日本がすごいチームってことを証明できたら、日本も注目されてのJリーグからビッグクラブという流れも作れますし、もっともと評価される。そうなるように表現していきたい」と香川は意気込みを新たにした。