外部の血を導入してチームの躍進を果たす
南米予選でコロンビアが躍進を遂げたもう一つの要因として、12年1月に就任したホセ・ペケルマン監督の手腕と、彼を招聘したサッカー連盟の好判断を挙げないわけにはいかないだろう。
今予選はコロンビア人のレオネル・アルバレス体制でスタートしたが、結果が出ずに3節終了後に解任。後任には選手の特性を生かした代表チームを作り上げる手腕に長けたアルゼンチン人のペケルマンが就任した。そして瞬く間にチームを建て直し、アルゼンチ
ンに次ぐ2位で本大会出場を決めたのであった。
コロンビアは1983年4月に就任したエフライン・サンチェス以来、実に20年近く、17人にわたってコロンビア人が監督を務めてきた。ここでそのこだわりを捨て、外部の血を注入する決断を下したからこそ、選手たちに意識改革を施すことができた。また、外国人監督を招聘できるまでに国内情勢が安定しつつある、と見ることもできるだろう。
巨大な犯罪組織に支配された時代から混乱の時代を乗り越え、ようやく平穏な日々を迎えようとしているコロンビア。そんな状況を反映するかのように、サッカー界にも明るい光が差し込みつつある。
W杯で代表が活躍し、サッカーの地位が向上すれば、国内リーグの復興も夢ではない。「完璧なチームを目指している。当面の目標はベスト16だ」とペケルマンは語っているが、国民はそれ以上の成績を望んでいるはず。そして、それは決して高望みではない。代表チームは、国民の大きな夢と希望を背負っている。
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