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タレント多数輩出しているが――。かつては麻薬王がサッカー界を支配、知られざるコロンビア

text by 池田敏明 photo by Kenzaburo Matsuoka , Getty Images

結果を出し続けている若年世代

タレント多数輩出しているが――。かつては麻薬王がサッカー界を支配、知られざるコロンビア
昨年11月には、日本代表同様に敵地での親善試合でベルギー代表をくだした【写真:松岡健三郎】

 不安定な情勢の影響もあり、コロンビアサッカー界も停滞状況にあった。オンセ・カルダス以外にコパ・リベルタドーレスやコパ・スダメリカーナでタイトルを獲得したクラブはなく、代表チームもW杯出場を逃し続けた。そんな中でも才能が枯渇しなかったことが、昨今の躍進につながったと言えるだろう。

 クラブやA代表が低迷する中、特に21世紀突入以降、年代別代表は国際大会で結果を出し続けた。U-20代表は03年、05年、11年、13年のU-20W杯に出場し、いずれも決勝トーナメントに進出。U-17代表も03年、09年のU-17W杯で4位に入賞するなど、国際大会上位の常連だ。

 これだけの実績を残し続けているのは、各クラブともに充実した下部組織を備えているため。国内情勢が不安定だったにもかかわらず育成環境が整備されている理由は、コロンビアで開催された2001年のコパ・アメリカにある。

 この大会を開催する国は、無様な試合を見せないよう、そしてホストとして諸国を迎え入れられるよう、全力で強化と環境整備に取り組む。最近では07年大会を主催したベネズエラが顕著な例で、国内には巨大なスタジアムが次々に整備され、育成年代からA代表に至るまでチーム強化が徹底された。この大会を境に、ベネズエラの実力は少しずつ向上している。

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