縁が切れないサッカーと凶悪事件
近年は治安の改善が顕著になりつつあるとはいえ、サッカー界も凶悪事件とは無関係ではいられない状況が続いている。
2004年12月、オンセ・カルダスを南米王者へと導いたルイス・フェルナンド・モントージャ元監督が強盗に遭い、2発の銃弾を撃ち込まれて半身不随になるという事件が起きた。モントージャ元監督は同年のコパ・リベルタドーレスを制し、12月にはトヨタカップを戦うため来日。大会終了後に「家族と過ごす時間を増やしたい」として退任し、帰国した直後に凶行に遭ってしまった。
06年1月には代表にも名を連ねていたエルソン・ベセラがバーで口論した相手に銃撃されて死亡し、09年7月には、なんと選手が一般人を射殺するという衝撃的な事件も起きた。アトレティコ・ジュニオールに所属していたハビエル・フローレスは、運転中にファン数人から「へたくそ」などと野次られたことに激昂。
車を降りて彼らに発砲し、1人が2発の銃弾を受けて死亡した。フローレスは投獄されたものの、賠償金として150万ドルを支払うことで遺族側と合意し釈放、現在はククタ・デポルティーボで現役を続けている。
11年10月には、エディソン・チャラという選手が友人に射殺されるという事件も。楽しくカードゲームに興じていたはずが、途中で激昂して口論になり、乱闘となった末の犯行だったという。後を絶たない死亡事件の背景から見えてくるのは、銃が身近にあるという事実、そして身を守るために銃を携帯しなければならないという治安の悪さだ。
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