ポゼッションスタイルがレーブの「プランA」か
同様にディフェンスラインからの組み立てで言うと、CBギンターから前線への縦パスも目立った。ギンターがボールを運び、SHのドラクスラー、そして0トップのフォラントが降りてきたタイミングでクサビのパスを打ち込む。ボールが打ち込まれたタイミングで、追い越したSBゾルク、またトップ下のマイヤーがドラクスラーに対してパスコースを提示する。
またペナルティエリア中央手前に降りたフォラントに打ち込まれたパスに対しては、ドラクスラーが3人目の動きを見せてシュートまで持ち込む、という場面も見られた。
ドイツ国内でのペップ・バイエルンの優勢、CFの人材不足に加えて不調のマリオ・ゴメスを予備登録メンバーからも外すという決断、そして何より警戒する高温多湿のブラジルの気候、こういった条件を踏まえて、対ポーランド戦で示されたドイツ代表のサッカーを見ると、レーブはまずボランチを軸としたディフェンスラインからの丁寧な繋ぎから、サイド、そしてゴール前で人数を掛けて崩していくサッカーを「プランA」として考えているようだ。
ポーランド戦を終えてレーブは、「この試合は私に多くのポジティブな面を与えた」とする。そしてその「多くのポジティブな面」とは、急遽予備登録メンバー入りを決断させたクラマーのような選手の状態だけでなく、自らが目指すサッカーの仕様が固まってきたことも意味しているのだろう。
Kicker誌のデータによれば、ポーランド戦でのドイツ代表のボール支配率は68%である。悪くはない数字だ。
ドイツ代表は、着実に進撃の準備を進めている。
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