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進撃のドイツ代表。固まったレーブ監督による“プランA”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ゼロトップ、流動的だったセンターフォワード

 盛り上がりを見せることもなく0-0のスコアで終わった対ポーランド戦を、Kicker誌は「Bedeutungslos(意義のない、重要でない)」とした。しかし、このゲームを通してドイツ代表がブラジルW杯を戦う上でのフォーマット、青写真のようなものが見えたのも事実である。つまりドイツ代表がどのようなサッカーでブラジルの地を戦っていくのか、そのスタイルが垣間見えた。

 際立ったのは、ディフェンスラインからワントップへのロングボールが皆無だった、ということである。179センチ、82キロとフィジカル面で秀でておらず、ボックス内で体を張るCFタイプの選手ではないフォラントがワントップに配置される。フォラントはワントップ、というよりはゼロトップとしてピッチに立った。ときおり中盤にも顔を出すなど、流動的な動きを見せる。

 そしてドイツ代表は両CBがサイドに開いて空いたスペースにボランチのクラマー、ルディが入りながら、ディフェンスラインから丁寧にボールを繋いでゲームを組み立てた。ボルシアMGでも同様の役割を担うクラマーが主軸となり、中盤を広く動き回る。Kicker誌のデータによればドイツ代表の中で最もボールに触ったのはクラマーで、108回である。

 ポーランド戦後に急遽予備登録メンバーに入ったクラマーとともに、本戦ではおそらくケディラ、クロース、ラームあたりがこの役割を担うことになるのだろう。

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